等々力好泰の放浪記

趣味の釣りや映画鑑賞、喫茶店巡りなどを綴ります。

昔飼っていた犬を思い出す

この間、近くの公園を通ったら虫たちが音を出していました。鈴虫やコオロギ達が秋を知らせてくれています。気が付けば秋ですよ・・・1年って早いですね。

 

私が幼い時、実家で一匹の柴犬を飼っていました。「竜馬」って名付けたのですが、完璧な名前負けでおちょっこちょいで甘えん坊、番犬なんて程遠い誰にでも懐いてしまうそんな犬でした。私の実家は両親、兄が二人います。そして末っ子に私という家庭です。竜馬は私と同じ目線でいるのか散歩に行くといつも私だけの言う事を聞かない、更に引っ張るように走り回る。だから私はいつも竜馬を見てイライラしてました。皆の言う事はちゃんと聞くのになんで私だけの言う事は聞かないの?だから竜馬嫌い!と思っていた。

 

私も成長し少しばかりか体が大きくなった時でも。相変わらず竜馬は散歩中に私を引っ張り回します。私はいつも竜馬に「竜馬なんて嫌い!」と言うと必ず伸し掛かってきて顔を舐め回す。竜馬の中では家族として私は同等として見ているのだと気づき始めた時、何となく接し方が分かってきた。兄貴に嫌がらせをされてイジケると心配して兄貴が優しくなるのと一緒で竜馬も私がイジケると素直に言う事を聞いてくれるのです。

 

そんなある日の事、散歩中の私に勢いよく車が突っ込んできました。ぶつかるスレスレで止まり私はあまりの怖さに腰が抜けてしまいました。ですが竜馬は私を庇うように前に立ち自分よりも大きな車に逃げもせず敵意剥き出しにして吠えまくる。乗っていたオジサンも竜馬の表情を見て怖がっていたのですが「君、大丈夫?ごめんね!」と必死に謝ってくれました。僕や竜馬は無傷なので「大丈夫です」と伝え、オジサンはわざわざ何かあったら大変と連絡先を教えてくれて去りました。その間ずっと私の為に前へ立ち必死に吠えてくれた竜馬の姿を見て私は嬉しかった。

 

その後、私が大学生の時に竜馬は亡くなった。幼い時はいつもイライラしていたのに、いつも私だけの言う事を聞かなかったのに私を車から守ってくれた思い出も、私がイジケるといつも顔を舐め回してくる思い出も、いつも家族の誰よりも竜馬と一緒にいた思い出が溢れてきて沢山泣いた事を今でも最近の事のように思い出します。

 

そして今、私達の元に新しい家族がやってきました。まだ赤ん坊の豆柴です。名前は子供達に決めさせようと思いましたが妖怪ウォッチやらポケモンやらの名前が多発したので結局「竜馬」になりました。この名前もどうかと思いますけどね。